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5月11日13時42分 いよいよ太平洋岸を目指して列車は走り始める。 上空は青空も見え始め、ようやく天候は回復して来た。 気仙沼線気仙沼行き普通列車車中 途中女川に向かう線路と別れ小牛田から約1時間ほど走ると、ようやく 右手に海が見えてきた。 入り江の中に漁業の網を張った海だった… それから先は地形のせいか、海は見え隠れしながら列車は進む。 ちょうど下校時間となったようだ。駅に着くたび、中学生や高校生が 乗り降りしてくる。 列車は大谷海岸駅に着いた。この駅は実は以前に訪れた事がある。 道の駅「大谷」と一緒になっている駅舎で、この中には三陸沖で網に かかったマンボウがいるのだ。 マンボウのとぼけた可愛い顔を思い出しているうちに、列車は終点の 気仙沼へと到着した。 大船渡線との乗り換えターミナル駅…のはずだが、どう見ても田舎駅が 少々大きくなっただけにしか見えない。 乗り換えの時間はあまり多くなかったが、つい最近誕生日を迎えた友人 からのリクエストの品を手に入れるため、一度外へ出てみる。 どうやらこの町は噂に聞くとおり、フカヒレが名産らしい。 友人のリクエストであるフカヒレを駅前の土産物屋で購入。 物が物だけに少々高い… 5月11日16時03分 盛駅へ向かうために列車に乗車。 結構海に近い場所を走っているはずなのだが360度山に囲まれて 走り続ける。 山村を走り抜けている間に、昨日からの疲れが出たのかうかつにも 眠り込んでしまった。 気が付くと、町の合間を走っていた… 程なくして、大船渡、盛と続いて到着。 周りの景色は帰りに見れば良いと切り替えて、一ノ関へ引き返す 列車に乗り換える。 乗り換え時間は僅かに2分!! 跨線橋を駆け上がり、下校途中の生徒の間をすり抜けて、無事に 上り列車に滑り込んだとたん、発車を知らせる笛が聞こえてきた。 5月11日17時05分 息を整える暇もないまま、列車は一ノ関へと走り出す。 窓の外に町は見えるが海が見えない… 盛や大船渡は港町だと思っていたのになぁ、と思いつつ列車が 高台に上り始めると… 遠くに山が、そして近くに海が!! 内陸まで入り込んだ湾を横から見たために手前の町並みと遠くの 山との間の海に気が付かなかったのだった。 大船渡線一ノ関行き普通列車車中 時は夕暮れ、車窓に映る夕日に照らされる入り江、水田、そして町並みは 非常に綺麗だ。朝方までの土砂降りだった雨が信じられない。 千厩、摺沢で高校生の一団がまた車内を埋める。 これは今日の朝から決まってそうなのだが、車内がどれだけ混もうと、 4人掛け席に座っている私のBOXには誰も座らないのだ。いや、 BOXすべてが自分の仲間じゃないと座らない。 首都圏で空席を奪い合うように座る生徒達もいるのに… どちらが変わり者なのだろう? そんな生徒達を途中の駅で少しづつ降ろしつつ、空に月が浮かび 上がる頃、列車は一ノ関に到着した。 5月11日19時31分 一ノ関到着後、夕食がてらそば屋のおばちゃんと立ち話をする。 私「こんな電車になっちゃって、駅弁も売れないでしょ」 おばちゃん「昔は面白いほど売れたんだけどねぇ…」 昔は機関車が4人掛けBOXシートの客車を引いていた東北線だが 今走る普通列車はほとんどが通勤電車のようなロングシートの車両に 切り替えられている。 やはり、ロングシートでは弁当も広げにくいのだろう… 第三回はここまで、次回更新を待て…
by 7masy
| 2006-05-26 02:25
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